木々は歌う D.G ハスケル 築地書館

著者は、アメリカの生物学者で世界から12本の木を選び、その木を中心に動植物から微生物に至るまでの生き物のネットワークを描いています。

歴史や地球上で今起こっている問題と、それがどうつながっているかが書かれています。

科学者でありながら、詩人でもあるという著者の筆づかいの優雅さと発想も素晴らしく、文学のような科学の本ですね。

温暖化、海洋汚染、土壌の劣化などの問題が各章毎の木を中心に丁寧に書かれています。

もう一つ他に無いこの本の特徴は、様々な生き物が発する音が書かれている事です。自然の奏でる音について、意識した人は少ないと思います。タイトルの木々は歌う(原題 The Songs of Trees)は、文字通り、著者の耳が聞き取った音に由来します。

人間が他の生き物と大差無い事、他の生き物との関係性こそが全てという視点は、人類は選ばれたものという西洋の考え方では、マイナーな立場ですが、著者はそれを訴えています。そこから次の時代の倫理感がある事、その一つとして日本人の自然観がモデルとなる事などは、私たちが再び思い返さなければいけない点ではと思います。

日本の読者に向けての序文、最終章の盆栽と日本文化には、その思いが深まります。

ワシントンにある自然史博物館の今年のジョン・バロウズ賞を受賞しています。読みでがありますが、その品格の高い文章から、科学の本という事を忘れるくらい、本に引き込まれます。

The Songs of Trees — Stories from Nature’s Great Connectors.

David George Haskell

A book to nourish the spirit. He describes the real standpoint of humans in biological networks that gives us our place in the world. This way of thinking is rather new to the West where humans are created to rule the nature under the God.

He mentioned the uniqueness of Japanese culture as a cultural model in the future.